逆子+つわり 遊風

 鍼の講習会で、参加者の奥様が9ヶ月にはいって、
逆子だという事で、一緒に来られたので、良い機会
なのでモデルになっていただく。

  楽な姿勢で寝てもらう事にする。右腰が少し痛む
という事で右を上にした横向きに寝てもらった。
(以下、指圧なども使っていますが、全てカワの)
(操体でも同じ結果が出ると思います)

  先ず、足の指の4,5番目の指裏関節部を探ると
を圧痛がありました。そこを暫く軽く指揉みをする。
  腰に移る。外寄り3行線付近にスジバリが出ていた。
このスジバリへの鍼は「子安の鍼」と江戸時代呼ば
れ、安産に用いられたそうです。そこをしばらく肘
による按摩をする。

  仙骨周辺に移る。すると右側の仙蝶関節付近に熱
感があった。皆で確認する。普段は動かない此処
の部分が、赤ちゃんが大きくなって骨盤を広げる
ために動こうとしているのだが、少し無理があって、
左右同じ角度に開かないので、中の赤ちゃんが居
心地悪くて、逆子になったのだろうと思いました。

  逆子に治療で、至陰という足の小指の根本の外
側の角にあるツボに灸する事が多いけれど、それ
は、この部分を緩めるのに、そこが役立つからだ
ろうと思いました。
  また、確か、翁先生の本にも、逆子は、仙蝶関節
のズレと書かれていたなと思いだしました。
(後で調べたら『万病を治せる妙療法』p196)

  大転子周辺から下腿まで、状態を確かめながら
指圧按摩をした。

  その後、仰向けで膝を立てていただき、膝裏の
痼りをきっかけにしてその痛みから逃げる方向に
動いてもらう操体をする。

  その後、膝を左右に倒してもらったら、案の定
左右差があったので、倒しやすい方に(右足が上
になる方)楽に倒せる範囲で倒してもらい、その
姿勢で上になった右足の大腿中央付近のカワを調
べたら膝の方に動いたので、ずらしたままにして
おいた。
(現在、私は、このように、動きの操体も、楽に)
(動く処まで動いてもらって、その姿勢を強調す)
(るようなカワの操体をするという形を取る事が)
(多いです。この方が「なんとはないホンワカと)
(した感じ」(=なんとなく気持ちよい)になる)
(確率が高いような気がしているからです。)

  直ぐに、深い息をし始めたので、その息が続く
間、その姿勢でカワずらしを続けた。終了後、
膝倒しの確認をしたら、左右差がなくなっていた。
  深い息をしていた間に、お腹の赤ちゃんが動い
ていたとのことでした。

  膝を開き気味に立ててもらい、左右の足を片側
づつ外と内に倒してみて、差があった右足の内倒
しの動きについて、同様のやり方で左右差をなく
しておいた。

  4日後に健診があり、逆子ではなくなっていた
そうです。

  逆子や安産に用いられる、足小指爪根本外側への
灸にしても、腰の外寄りのスジバリに対して鍼をす
る「子安の鍼」にしても、仙蝶関節の左右差をなく
す事と、そこの可動性を高める事が出来た場合に効
くのだろうなと思いました。操体って、いろんな治
療法が何故効くのかが解って面白いなと改めて思い
ました。

  この方は、つわりになった時にも相談を受け、
吐き気が辛いという事だったので、中指と薬指を
反らしてみたらとアドバイスしました。
  吐き気を感じた時に指反らしをしたら、すぐに
楽に吐けてしまって、吐いた後はスッキリして、
普通に食事が出来たそうです。


[原文 No.7460 - 2003/06/10 09:30]

 

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