涙鼻管狭窄症 遊風

 この間、5人まとめて乳幼児を見る機会がありました。
その中の一人、2才の女の子が涙鼻管狭窄症という、涙が鼻に抜ける管が詰まって涙があふれて目脂がいっぱい出て(酷い時には目脂で目が開かなくなって)しまう症状で、何回通しても再度詰まる状態で、手術した方が良いかも知れないが傷が残るので様子を見ましょうと言われているという事でした。

  長男が生まれて10日目くらいに同じ症状になり(入院中になった片方は病院で通してもらったが)また、病院に連れて行くのも大変だな、眠っていたので手で触ったら起きてしまうかなと思いながら、様子を見ようと手を近づけました。
  すると、10cm程の処で、患部の目の回りの瞼が瞬きするように(目はつぶったままでしたが)動き出したので、おもしろいなと手をかざしたままにしておいたら、しばらくして、目頭からニュルニュルと長さ1cmちょっと程の太めの木綿糸状のものが出てきました。
  上の方は出たての目脂のような白っぽい黄色で下の3mmほどが鼻くそのような灰色をしていました。その日はそれで涙があふれ出なくなりました。翌日また涙があふれるという事で、同じようにしたら、ちょっぴりニュルニュルと出てきました。それ以降、涙鼻管狭窄状態にはなりませんでした。
  これは、私の体験では手かざしでも症状が改善した数少ない例で、しかも眠っている状態の生後10日目という事で、言葉による暗示などの要素が考えにくいという事でも貴重な体験でした。

  その事を思い出し、また、このごろsoutai虫さんの耳鳴りにも行ったように、患部付近のツボと経絡的に関連する指のツボの同時カワの操体にこっていることもあり、目にゴミが入った時にゴミを涙鼻管から鼻に流す時に使う患側の手の親指の爪の根本と、目頭と鼻の間を使ってみました。
  親指の根本は親指と人差し指で軽く挟むように、起きていたので目の周りは嫌がられないように手かざしから、暫くしても嫌がる様子がないので(それまでに抱いて遊びながら擽り操体などをしていたせいかも)、軽く温度を測るように指先を当てました。
  お腹の息の入り具合を見ていたら深くなったので、大丈夫だろうと、子供が飽きた様子を見せるまで行いました。3分くらいかな。
  涙が片方だけ流れ出ていた状態だったのがなくなり、その後、その場を離れるまで40分以上、他の子を診ながら時々観察していましたが、涙があふれてくる事はありませんでした。
  簡単な方法なので、「これで手術しないで済んだらもうけものだと思って、駄目元で、時々やってみたら」と母親の方には伝えました。悦んでくださり、やってみると言っていました。

  今、人を診させてもらう度に、この患部付近と指の同時カワの操体を試みているのですが、わりと反応が良いようです。
  患部付近は、立った姿勢で横輪切りの背中側とかでも良いようです。咳などの時の肩胛骨の間や、お腹の痛みにちょうど反対側の背中とか。
  手の指は、爪の根本の他では、足もみにも使う、手のひら・足の甲に近い方の指関節の手のひら・足の裏側のシワの端が使いやすいようです。
  指の選び方は、患部が横隔膜から上なら手の指、下なら足の指。手の指の場合には、患部が前から見やすい部分なら親指か人差し指横から見やすい耳とかなら中指か薬指、後ろから見やすい部分なら薬指か小指の可能性が高くなります。
  涙鼻管狭窄症は涙鼻管が目頭にあるので親指の可能性が高いのです。歯は、前歯は親指、犬歯は人差し指、奥歯は中指の可能性が高いです。
  足の指の場合には、親指は陰経に属するので体の内側全体に関係し(経絡には陰と陽があり、陰は体の中に、陽は体の外側に(骨格筋もふくまれます)に関係しています)体の前側は2指から3指、横側は3指から4指、後ろ側は4指から5指の可能性が高いです。ぎっくり腰は、4指の指関節の裏側のシワの五指より端と、5指の指関節の裏側の皺の4指よりの端の2箇所どちらかに圧痛のある事が多いです。

  症状を止めるだけで全身調整にならないという不安がある時には、使った指を机の角などで反らしながら、立ち姿勢での重さの操体。
  立ち姿勢で軽く膝を曲げ、目の高さの物につかまるか、テーブルなどに手をついて中腰になり、足幅は肩幅よりも少し広めに開いて、体重を右足の前・横・後ろ、左足の前・横・後ろに少し移動して、体が一番体重を移したがっている方向に暫く体重を移したままにしておきます。その姿勢を戻したくなるまで。
  この立ち姿勢での重さの操体をしている最中に、手の場合は、
反らして一番ピリピリビリビリしやすい指を選んで、机の角などで反らしている事を付け加えると、全身調整と症状別の対処が一度にできるように思っております。
  お試し下さい。

 

[原文 No.6542 - 2003/04/07 10:12]

 

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