橋本先生が残した 息食動想 のうちの息について今回お話ししたいと思います。
中にはこれをお経のように唱えているところもあると聞きます。
橋本先生はこれらを、自己責任行為であると言っています。
私は操体法が好きで好きで、改めて見ますとどれをとり上げても、本一冊になると思います。
今回はこのうちの 息 の部分について話そうと思います。
一般的に 息=呼吸
で終わってしまいます。
橋本先生の「体の設計にミスはない」の中で息について書いていますが、これを自分で更に解釈を深めている方はいらっしゃいますか?
私の勝手な解釈ですが、橋本先生が生まれた明治時代を思うと、江戸文化をまだ残している時代であって、その中で先生は育ったものと思います。
息=イキ
イキは大和言葉です。
大和言葉はコトバ数も少なくいくつかのコトバしかなかった。
漢字が中国から入り、多くの言葉ができた。
イキ=生 活魚の活 粋
等、命を輝かせるような言葉であると思います。
現在は 息 と読ませています。
例えば、山という漢字は 中国では峻険な山を意味します。
例えば 武道では 猛虎大破山など、大きな技を意味します。
が、日本ではあまり高い山はないので丘程度であっても、山と呼んでいます。
同じ言葉でも受ける感じが違い、表現が違うということを知っていただきたくてこのような話しをしました。
息は おのれの心、心の上におのれがある。
命そのものにかかわる心にかかわる文字に息づかい がありますが いつの間にか呼吸法に変わっている。
20世紀頃からか 呼吸法で呼吸すると呼吸は無理になり苦しくなります。
呼吸は個人のものです。
武道・武術には呼吸法がありますが、操体では呼吸は自然行為でするもの。
呼吸法をやってください、と言われるとひらがなを書けない人に漢字を書け!と言っている位難しいことです。
呼吸法は、英語で言うテクニックであり体を壊すもとです。
自然呼吸で良いんです。
よく言われる腹式呼吸⇒鼻から吸って口から吐く。
でも私は不自然と思っています。
息づかいが荒くなります、苦しくもなります。
我々の世界は、リラックスなんです。
リラックスで始まり、リラックスで終わるものと思っています。
操法後の患者さんの はぁ〜 というあれが腹式呼吸なんです。
日本には、肚(はら)から=心からというように肚に心があります。
キリスト教徒が、心はというと胸を押えます。
このあたりから、息 は、口から吸って口から吐くというように変わってきたものと思われます。
操体では 患者さんが教えてくれます。
ハァ〜という 息は肚からでた声 内臓からでた呼吸だと思っています。
呼吸としては
吸う 吐く
クチ クチ
クチ 鼻
鼻 クチ
鼻 鼻
の4種類がありますが 試して見ましょう。
どうですか、鼻−鼻が楽じゃありませんか。
大体7割くらいの人が楽といいます。
どちらの呼吸がらくかにできているか?
自然の流れでできる呼吸が 息 のバランス感覚なのです。
操法を始める時でも鼻呼吸で始まれば快の状態にあるので そのまま操法を通して行きます。
(実演)
言葉は大脳に響くので、言葉によって緊張させる 場合があります。
体が重いですか?
重力で落ちているんですね。
こういった場合は、重力に逆らわず横になります。
動・静の操体があります。
どうして欲しい?
辛い人や痛い人よくあるが安楽なのであれば20〜30分そのままホオッテおく。
場合によっては、クッションなどで、膝や首をある角度で(気持ちよい)ホールドして放っておきます。
動物は何かあるとじぃっとしていますよね。
それでいいんです。
疲れたら、地球に戻ってください。
地球に落ちてください。
細胞レベルでみますと、細胞中のミトコンドリアを喜ばせれば良いんです。
酸素は毒なのですが突然変異したミトコンドリアは、酸素をエネルギーに変えてくれています。
酸素の通いが悪いと細胞が元気を失ってきます。
ですから楽な姿勢をとり酸素を細胞レベルに送り、ミトコンドリアを喜ばせてやってください。
こんなところでしょうか?
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