今回の内容は、この間のコン先生の重心移動と体重移動
の違いとも関連する内容だと思います。
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「操体もくもく」no.18 (C)2004 愉愈庵遊風
「体の自然」編 その7:動作の負荷を分担する仕組み
(4)背中と脚裏の負荷分担
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今回は、脳性麻痺の次男と側湾の方を例に、縦切り相
関の中でも、背中と脚裏の負荷分担について考えた事を
書きます。先ず、次男の例から。肺呼吸の段階に無い状
態で生まれた事と、いわゆる脳性麻痺特有の姿勢に関係
があるのでは・・・と思っています。6ヶ月入院して帰っ
てきた次男は後頭骨下縁から尾骨まで一様に前に反り、
胸部で後湾が無く、胸部も前湾していました。
つまり、肺呼吸に無い段階で生まれた事で肺に異常な
負担が掛かり、その負荷を分担するため、横輪切りの背
中側が大変緊張し、そのため、胸部後湾が無くなってし
まったのだと考えられます。胸部港湾が無くなるほど胸
を反らしてみました。すると、当然、腰も反り返ります
から、その姿勢のまま立ち姿勢を維持しようとすると、
お尻を出っ張らせ、ソケイ部(腹と足の境)を後ろに曲
げ、踵を上げないと巧く立てない事がわかりました。つ
まり、ハイヒールを履いたような格好です。
次男は、3歳近くまで歩けず、歩いた時は踵と両手を
挙げた、脳性麻痺児特有の歩き方で、5歩歩くと転ぶと
いう状態でした。小学校入学までは長い事歩けずに、保
育園の先生もベビーカーに乗せて移動していましたし、
まだ、胸部後湾が無く胴を前に曲げられないので、マッ
ト運動の前転が出来ませんでした。擽ったり灸したりし
ていたら、だんだん、胸部後湾が出来てきました。小学
校入学以前は、冬の間ずっとゼロゼロと呼吸器の状態が
悪かったのですが、胸部後湾が出来始めた小学1年生の
冬からは、ゼロゼロしなくなりました。(続)
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